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充電器選定ガイド(鉛蓄電池/リチウム電池)


はじめに

充電器は、2次電池を使用する上で欠かせないものです。
また、鉛蓄電池とリチウムバッテリーでは、充電特性が大きく異なるため、
充電器の選定を間違えると充電不足や過充電等が発生し、バッテリーの性能低下、短命化、
最悪のケースでは破損してしまうこともあります。

この記事では、それぞれのバッテリータイプに適した充電器の選び方を解説します。

 
鉛蓄電池の充電器選定
 

選定基準

充電器を選ぶ際には、以下の基準を考慮する必要があります。

蓄電池の容量
蓄電池の容量に合わせて、適切な出力電流を持つ充電器を選びます。
容量が大きい蓄電池には、それに見合った出力を持つ充電器が必要です。

使用環境
蓄電池が設置される環境に応じて、耐候性や耐久性に優れた充電器を選ぶことが重要です。
特に厳しい環境下では、それに適した充電器が必要になります。

充電時間
急速充電が必要な場合や、短時間で充電を完了させたい場合は、高出力の充電器を選ぶ必要があります。
充電時間は、蓄電池の使用頻度や運用スケジュールによっても影響されます。

鉛蓄電池の充電方式

下記の充電方式は、蓄電池の種類や使用環境、目的に応じて選択されます。

鉛蓄電池では、主に定電圧充電方式が採用されていますが、状況に応じて他の方式が用いられることもあります。
安全かつ効率的な充電を行うためには、これらの充電方式の特徴を理解し、適切な充電器を選定することが重要です。

定電圧充電方式(CV方式)
この方式では、充電時に電圧を一定に保ち、電流値を変動させて充電します。
蓄電池が放電している場合、電流値が大きくなり、満充電に近づくと電流値は徐々に小さくなります。

定電流充電方式(CC方式)
電流値を一定にして電圧値を回復させていく充電方式です。
急速充電が可能で、満充電までの時間が短いというメリットがありますが、
満充電になっても電流をかけ続けると蓄電池が破損する恐れがあるため、注意が必要です。


定電流定電圧充電方式(CCCV方式)
充電初期はCC方式にて電流値を大きくして急速充電を行い、
一定の電圧値になったらCV充電に切り替えて充電を行い、最終的に満充電させる方式です。


浮動充電(フロート充電)
蓄電池に定電圧を送り、負荷機器を作動させながら蓄電池も充電を行う方式です。
停電時には蓄電池から負荷機器へ電力を供給します。

トリクル充電
蓄電池を微弱な電流で常に満タンにしておく方式です。
停電を検知すると切替装置が働き、蓄電池の電源を負荷機器へと接続します。

均等充電
蓄電池のセルごとの電圧にばらつきが生じやすいため、各セルの電圧値のばらつきを均等化する目的で行われます。
充電装置の供給電圧を通常より高くして、電圧の低いセルを規定電圧まで戻します。

回復充電
放電して容量がなくなった蓄電池を急速に充電することをいいます。
充電装置からの供給電圧や電流を通常より高くして、蓄電池に大きな電力を供給して充電します。

 

リチウムバッテリーの充電器選定

選定基準

リチウムバッテリーは高エネルギー密度と長寿命が特徴ですが、充電管理が非常に重要です。
以下の点に注意して充電器を選びましょう。

専用充電器の使用
リチウムバッテリーは専用の充電器を使用する必要があります。
鉛蓄電池用の充電器では適切に充電できない場合が多いです。

バランス充電
バッテリー内の各セルが均等に充電されるように、バランス充電が可能な充電器を選びます。

BMS(バッテリーマネージメントシステム)
リチウムバッテリーは過充電や過放電に弱いため、BMSを備えた充電器が望ましいです。

リチウムバッテリーの充電方式

リチウムバッテリーの充電方式には、主に以下の方法があります。
これらの充電方式は、リチウムバッテリーの特性に合わせて設計されており、効率的かつ安全に充電するために用いられます。
充電器を選ぶ際には、これらの充電方式に対応しているかどうかを確認することが重要です。

トリクル充電
電池が過放電状態の場合、小さな電流でゆっくりと充電を行います。
これにより、電池を安全な状態に戻すことができます。

CCCV充電(定電流・定電圧充電)
最も一般的な充電方式で、初めに定電流(CC)で充電を行い、
電池の電圧が指定の値に到達したら定電圧(CV)に切り替えて充電を続けます。
この方法では、電池が満充電に近づくにつれて充電電流が徐々に減少していきます。

 
事前確認が必要な情報(鉛蓄電池/リチウムバッテリー)

充電器の選定には電池総電圧、電池容量、建屋情報が必要となります。

電池電圧
対象電圧より低ければ、充電がされません。
対象電圧より高いと電池破損につながります。

充電電圧
開放式電池:Cellあたり2.65V~2.7V
密閉式電池:Cellあたり2.4V~2.5V
リン酸鉄リチウム:Cellあたり3.6V~3.7V

※充電器の種類によって値は変わります。

充電電流
充電電流の選定では、電池容量の情報が必要です。
鉛畜電池の場合、メーカーやモデルにより違いはありますが、
ほとんどの場合、初期電流0.2C~0.25Cで充電を行います。
※〇〇時間率のカレント表記の相違に要注意

建屋情報
例えば、Input200V充電器を提案する場合、ユーザー様側の建屋情報が必要となります。
ブレーカーのサイズ*、ソケット形状などを確認します。
*ブレーカーのサイズは、ブレーカーが安全に扱える最大定格電流値(アンペアフレーム)をことを指します。

ソケット形状は、下記の表を参考にしてください。

まとめ

鉛蓄電池とリチウムバッテリーは、それぞれに最適な充電方法があります。
適切な充電器を選ぶことで、バッテリーの性能を最大限に引き出し、長寿命を実現することができます。
バッテリーの種類に応じた充電器選定を行い、安全かつ効率的な管理を心がけましょう。

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